2003年7月10日。α-stationで放送された「SUNNYSIDE BALCONY」で、番組側が「光永さんは甘いモノが大好きだと言うことで」スタジオに用意してもてなしたアメリカンソフトクッキー。この品が、シカゴで食べていたクッキーと似ている、と光永が発言。放送を聴いた「日本人耳」では、そのブランドが「メーキュボイ」と聞こえたとのこと。
シカゴでは、お兄さんとクッキーを賭けて遊び、負けたほうが買いに走ったこともあったそうな。(α-station 10-Jul.-2003 放送分より/情報:ちかこさん) お兄さんは4つも年上だから、かなりの確率で光永が買いに走っていたのだろうと想像してしまうのだけれど……
このクッキー、またはそれに近いものを探そう! ということから我々の探検(!?)は始まりました。
そうそう、このあとの話が繋がるように今から言っておかないとダメなんですが…… このお兄さんも、大人になってりっぱなミュージシャンになりました。本当は泰一朗(たいちろう)さん、というのですが、多くの友達にもファンにも「たいち」「たいちさん」と呼ばれています。
さて、まずは机上での情報収集。最大の武器はなんといってもサーチエンジン、それもGoogle!! 早速「アメリカンソフトクッキー」で「ぐぐって」みると真っ先にひっかかったのがミスターイトウ。
そこで早合点してこのクッキーを紹介したところ「日本の量産品ではなかったですよ」とαを実際に聴いておられたちかこさんよりご指摘を承りました。このことがきっかけで
「では、本物ないしはそれに近いものを探そう」
との動きが活発化し、集まったのが次にあげるクッキー。
「気分だけでも」味わいたい方にはそれなりに満足できるラインナップが揃っています♪
アントステラ:オフィシャルホームページ:ペンシルバニアで幼稚園の先生をしていた1908年生まれの女性がルーツだというアントステラ。生地をお店の厨房で焼くので、お店のまわりはいつもクッキーやケーキのいい香りでいっぱいです。「ラムレーズンオートミール」は「ソフトクッキー」と呼ぶにはやや食感が硬めですが、香りや味のニュアンスで充分「気分」になれる一品です。
不二家(カントリーマアム 商品ラインナップ):日本の既製品のお菓子の中ではかなりアメリカのソフトクッキーに近い部類に入るそうです。(情報:ニコルさん)
Welcome to Keebler(英語) (Soft Batch)
「ソフトバッチ」は見た目や食べ方が後述の「カントリーマアム」のお手本になったのではというほどよく似ているソフトクッキー。 COSTCO などの外資系スーパーや、輸入食料品の取り扱いのあるスーパーをチェックしてみましょう。 (情報:ニコルさん)
イトウ製菓(製品紹介のページ)
Googleで「アメリカンソフトクッキー」情報を集めると、よくヒットするのがこれ。かなり甘めで水あめのようなふにゃんとした食感が特徴。今から思えば食感が意外と archway に近いかも。現在はマカデミアナッツ味があるほか、さすがは日本メーカーらしくコンビニ限定の抹茶味なども見かけます。
「セミスイートチョコチップクッキー」はしっとりソフトで、チョコチップがたっぷり入っています。アメリカでは1箱7枚入り(1枚の大きさは7センチほど)で約3ドル。「質より量」のよくあるアメリカのお菓子と違って、味で勝負しているまじめな印象。(情報:ニコルさん)
一時は日本法人もありましたが、現在はもうありません。何度か日本進出と撤退を繰り返しているようです。
キャンベルスープ (ペパリッジファームクッキー)
「ソフトベイクド」というシリーズが近いようです。同シリーズの「oatmeal Raisin」はカリフォルニアレーズンがたっぷり使われています。クッキーを地面と垂直に持たないと崩れてきそうなほどのソフトで重い生地(誇張ではありません。そのまま素直に読んでください)。
実際に食べてみたところ、大きめで、手作り感があって、アメリカ育ちの甘党が喜びそうな味だとのこと(日本で育った人には甘すぎるかも……)。(情報:ちかこさん)
アレルギー体質の息子のためにパンを焼き始めたのが創業のきっかけというだけあって、ヘルシーな材料が選りすぐって使われ、添加物の使用も極力抑えられています。
2004-5年頃に明治屋の京都三條ストアーで販売されていたことから、単なる推測ながら、α-stationのスタッフが用意したクッキーがこの品かもしれない可能性もあるとされています。ただし、2009年現在「ソフトベイクド」シリーズは日本には入ってきていません。
Starbucks Coffee Japan
シアトル生まれのカフェだけあって、アメリカンな気分はしこたま味わえます。ただし、大きさもかなりあるし単価も結構高いので、小腹が空いていてなおかつお財布が暖かい時向けです。
現在スターバックスにはお兄さんがよく出没しているとのこと。Blue Age Orchestra時代は、コーヒー豆を買って、一緒にユニットを組んでいる新田さんの自宅のスタジオに差し入れることも多かったそうです。
さて、カナダに当時滞在中(当時)のファンから「シカゴ土産で『もしかして!?』というクッキーを手に入れた」との情報を入手しました。これが非常に怪しくて、くさい、いや、クッキーのいい香りがぷんぷんしてくる(笑)情報なのでした。
ところで。
友達(←亮太くんファン。)がシカゴ旅行のお土産に、お菓子を買ってきてくれたんですけどね。
それが、
「archway」
っていう、ソフトクッキーだったんです。
なんか、「メーキュボイ」に似てないかい?という話になって。
言葉自体は全然違うけど、なんだか韻が似てるよねって。
アメリカの何都市かでもチェックしたけど、シカゴでしか見付からなかったそうです。
ちなみに、カナダでも見たことはありません。
光永兄弟がシカゴ時代に食べてたクッキーって、これじゃなかったのかな〜?って思ったりしてたんですけど、どうですかねぇ?
(情報:ゆきさん〔メールありがとうございます!/強調文字は当方でつけました。写真もゆきさんにご提供いただきました。写真は「Chocolate Chip」です〕)
更にお調べしたところ、ある筋より「ご兄弟が召し上がっていたクッキーは同じシリーズの『オートミールレーズン』だった」との情報が浮上。
これをある方がシカゴ土産に買って日本へ帰国し、お兄さんのユニットが当時所属していたドリーミュージックと、亮太さんでおなじみポニーキャニオンへ(更にはファン仲間若干名にも)送ったところ、お兄さんのほうから次のようなメッセージが……
それとこないだ僕宛に、シカゴ時代に弟とよく食べたオートミールクッキーを送ってくれた方!懐かしくて最高にうまかったです。 ありがとう!
Lady's Information Network 凛 − 「DIARY 青い休日」 − 「僕の彼女?を紹介します。」より
ということで、あの思い出のソフトクッキーは遂に「archway」社製「Oatmeal Raisin」と判明しました。
2004年9月からは一時Amazon.com(米国)でも購入可能になっていました。
(但し、日本からの購入は送料がかなりかさむので、ひとりでちょこっとだけ買うのは現実的とはいえませんでした。もし今後可能になった場合は、このクッキーを食べたい人を多数集めてまとめ買いするという手段をとるのが妥当と思われます)
実際に食べたところでは、食感は水あめのような粘度を感じるしっとり感で、日本の製品でいうとミスターイトウが近いでしょう。日本製の普通のクッキーよりは甘いものの、レーズンの風味にシナモンの香りがほんのりマッチしていて、食べた後味はそれほどくどくなく、あっという間に4−5枚はいけてしまいます。
そして、もしもアメリカ、特にシカゴ近辺や、それ以外でも東寄り〜中央部くらいの地域(後述します)に行かれるご家族やお友達がいらっしゃるのなら、お土産に「archway の OATMEAL & RAISIN」をお願いしてみてはいかがでしょう。お値段は、地元のこどもでも安心して買えるくらいですからね。
一方、市販品だけじゃなくて近所のクッキー屋さんのお世話にもなってた光永。そのころにはこんな思い出も……
とある日の平和な日曜日、兄貴に「クッキーが食いたいから買ってこい!」と脅し気味で怒鳴られ、わずかなお小遣いを握りしめ、家から15分くらいあるクッキー屋さんに、1枚25セント前後のオートミールクッキーを泣きながら買いに行ったこと。(それにしてもヒドい兄貴だ。)(オフィシャルサイト「亮太の独り言」24-Feb.-2005 より)
ありがちな兄弟の風景です(笑) 4歳の年齢差のことを考えるとなおさら。
だけど、近所のクッキー屋さんの25セントのオートミールクッキーってのもおいしそうだね。日本でいうたい焼き屋さんとか、ああいう感じでしょうか。日本でそういう手焼きクッキーを買うと、ゆうに4−5倍もしくはそれ以上のお値段だったりしますね(苦笑)
そして、成人した今もクッキー大好きな光永。
クッキー大好きなんでね、別名クッキーモンスターって呼ばれてるくらい、クッキー大好きなんですけど。(本人・談/CBCラジオ「My Dear Songs」18-Dec.-2004 放送分より)
今ではシカゴ時代に食べていたオートミールクッキーに近いものや、「ちょっとこう、輸入食品店とかに行くとあるようなイギリスの王室の人が食べてそうな(笑)ちょっとブルジョアな感じのクッキー」を、カフェラテなどと一緒に食するのがお気に入りだそう(王室とブルジョアじゃ全然違うぞってツッコミはなしなし。まあ、上流階級の人が食べそうな貴族的な雰囲気のもの、ってことで)。
光永がクッキーと一緒に飲むコーヒーについては miscellaneous の項で別にとりあげることにします。
しかしその一方、彼らがこどものころ慣れ親しんだArchwayのクッキー会社はとんでもないことになっていました。なんと2008年の秋に連邦倒産法第11章(Chapter 11)に基づく債務整理に入ったというのです。 Wikipediaによれば、
再建型倒産処理手続を内容とするものであり、債務者自らが債務整理案を作成できる点で、日本でいう民事再生法に相当する。
とありますので、廃業ではなく再建を目指しての債務整理と思ってよいでしょう。
わたしは経済に明るくありませんので、経済関係の英文の資料はうまく読めないのですが、たとえばこういった記事を辞書や翻訳サイトの助けを借りつつ読む限りでは、どうも企業の粉飾決算が発覚したらしいこと、また大規模な人員削減を行った一方で、まだ生産を続けている工場も存在すること、などが読み取れます。
その後、スナック菓子会社・Lance が Archway を買い取り、Archwayブランドでのお菓子の生産を継続するとの続報(リンク先はLance社のプレスリリース{英文}です)もあります。
これで「あのクッキー」がまた食べられるんでしょうか。
2009年、なつかしのシカゴをとうとう訪れることができた兄弟。
当然あのクッキーも日本に買って帰ったそうです。
お兄さんのマネジャーさんにはレーズンの入っていないオートミールクッキーを買ったとのこと。
会社、ちゃんと復活して、よかったね。
Archway社のオフィシャルサイトに書かれている販売店のある地域を大雑把にまとめれば
時差で言えば