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ちょっと濃厚めの香りを。

やっとこの秋はじめて「Organza Indecence」をつける気になった。濃い目の香りをつける気になるとわたしの中で秋が本格化した証拠。かなり甘めでセクシー系なのに、しなだれかかるような媚びた感じがないのは、レディスフレグランスには珍しくフローラル系の成分を全然使っていなくて、甘い香りのする樹木やスパイスがメインになっているかららしい。そう思って手首を嗅いでみると、シナモンやナツメグのような香りも入っているような気がする。

もともと「Vol de Nuit」や「Cabochard」あたりの濃厚めの香りが好きで、真夏にも量を減らしぎみにして使っていたほど。それがここ3-4年くらい、温暖化のせいで暑い季節が長くなったり、世間の流れがライトな香りに傾きつつあったり、わたし個人も服装がカジュアルに偏りがちになっていたり、色々あって濃い目の香りから遠ざかりがちだった。いまの主力は「Coriandre」「Fujiyama Homme」そしてL'Occitanの練り香水「The Vert」「Neroli Rose」あたりか。

ところで、10年くらい前だと、我々が生まれる前、ものによってはラヴェルやサティが生きていたような時代からあるような名香も、新作と一緒に共存していたような気がするのだが、今日本でまともに残っている古典的名香というのはかなり稀ではないのだろうか。
たまに名前が残っていてもここ数年の間にリニューアルされて中身は別物に変身していたり。
そんな中でゲランががんばって古い香りを出し続けていたり、特にフランス方面のブランドがネオクラシックな香りを新作として出したりすると、なんだか嬉しくなる。「Organza Indecence」はジバンシイが1998年だか99年だかに作ったそんな香りのひとつだったが、実はとっくにディスコン(廃番)なのらしい。

せっかくいいものを作っても時代に勝手に使い棄てられてしまうことを思うと、なんだかここ数年の誰でも知っているメジャーな香りに手が伸びない。時代遅れの香りもうまく使えば「他人の知らないいい香り」になるのだからと、ここ暫くは開き直り気味である。

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