« 「雨ガ来ル」 | メイン | 笙野頼子 »

おとこのうつわ

とあるファッション雑誌がやっていた恋愛特集とやらを、なんとな~く立ち読みしてみたら……
「プライベートモードで会議みたいに男を言い負かそうとしないで」
「趣味はあんまりマニアックじゃなく、ミーハーくらいがちょうどいい」
……いまどきの若い男の子ってもうちょっと「男の沽券」なんてものから自由だと思ってたけど、相変わらず女に負けることに妙な恐怖心がある人が多いんだね。
ま、社会生活の潤滑油として、あたりさわりのない世間の話題にある程度通じておこう、というくらいにとっておけばいいのかな、とも思うけど。初対面の相手にいきなりオタクな話題もっていくのは確かになんだとも思うしね(←と書きつつ自分で耳が、いや目が痛いかも、っておい)

だけど。
日本の男がこのレベルで止まってるから、この国では自分の目や耳や心で自分の好きなものを選ぶ大人の女がたくさんは育たないんじゃないか…… ってのは言いすぎかな?
自分というものを持ちつつ、男をたてられる「能ある鷹」な真性・大人の女ならまさに完璧! なんだけど、男がそもそも女の爪の存在自体を恐れる輩ばかりじゃ、鷹になるより可愛らしく歌う小鳥になるか、男は無視して思いのままに爪を研ぎ見せびらかしちゃうか…… どっちかのほうがよっぽど楽じゃないの、って爪を出しすぎて時々折っちゃうわたしなんぞは思うのでありました。

そういえば、ミーハーくらいが……の実例に「音楽なら平井堅」なんて名前が挙がってたけど。
平井堅もちゃんと聴きゃ相当深くて面白そうだと思うけどなぁ…… (平井氏の音には好感はもってるけど、CDを買って聴き込んだりしたことはまだないので、あんまり深いコメントはできませんが)
合コンあたりでは「平井堅がいいかな」なんて言っておいて、つまらない男にひっかかりそう、と思った時点で本性を出しちゃう、ってのはどうだろう。
「え、平井堅でどの曲が好きって? 『Style』って世間じゃあんまり評判よくないみたいだけど、あたしはあのOctopussyのアレンジ、好きだなあ。でも個人的にあの曲調は平井堅より山本領平あたりのほうが向いてそうな気がするんだけど、どう思う?」
……相手が音楽大好きさんでなければ、これでパスしてもらえるかな?
合コンというものを知らずに結婚したわたしにはもう実演の機会はたぶんないので、誰か実験台になってくれませんか?(こら)

結婚、という言葉が出たついでにのろけるわけじゃないけど、うちのダンナがまだ「彼氏」だった頃には、お互いのことがもっと知りたいから、とお気に入りのCDをよく貸し借りっこしたものでした。
恋人ができたら、その人がもっているものをきっかけに自分の世界を広げる、くらいの度量は、男女を問わずあったほうがいいと思うんだけどな。

(推奨BGM: 「Maniac」 Michael Sembello…… なんちて)

コメント (6)

う~ん、その手の記事に登場する「男性一般」って、どれぐらい実体があるものなのかなあ。もしかしたら何人もの男性に取材を重ねた上で導き出したデータなのかもしれないし、あるいはただ単に、記事を書いてる人自身やその周りの人の例だけを見て「それがマジョリティ」って思い込んで、それをそのまま記事にしちゃってるだけなのかもしれないし。
ちなみに私の周りには、そうじゃない男性(女の音楽などの趣味は無難な方がいい、というような男性とは逆のタイプ)がけっこういたりして。(決して多くはないけど)
去年仲良くなったある男友達は、私がけっこうマニアックな音楽ばかり聴くのを面白がって、
「へえー。他には何聴くの?他には?」
と質問攻めにあっちゃいました(笑)
そういうタイプの男性がせめて半分ぐらいになったら世の中、もうちょっと変わるかも?

Reia:

一般人の男性Aのコメント、とか、お笑いタレント座談会でのXのセリフ、みたいな感じでそれらのセリフは載ってたような気がするな。立ち読みだけに今その雑誌が手元にないので、なんともいえないんだけど。
ただ、そう言われてみれば、確かにこれらを一般的なマジョリティとみなすのは早計かも。とはいえ、多くの人がそう早合点するような書き方がなされているのも事実だし、そんなマニュアルにのっかって生きようとする若い女の子もぞろぞろ出てきそうな……
というか、そもそも今回のその雑誌の恋愛特集、全体に「アンチ負け犬」な基調が漂ってたのがそもそも気に入らない(笑) って、既婚・子あり・経済的自立せずのアンタが言うなよってつっこまれそうだけど、taichoならわかってくれるかな(と甘えるやつ)

taichoの周りにも、ここに書いたようなタイプではない男性のほうが多いわけだ。いいないいな、と書きつつ、そういう意味ではわたしもかなり恵まれたほうなんでしょうね。いままでの彼氏(ダンナ含む)でわたしの趣味のマニアックさにケチをつけた人って、ひとりとしていないもん。

Reia:

さっき、用があってコンビニに行ってきたついでにもう一度件の記事を読み直して参りました(爆)
問題の発言はいずれも「恋愛対象外からの脱出法」みたいなページに載ってまして、脚本家や作家といったある意味識者の意見、って感じで書かれてました。

前者の意見は「あまり女性が賢くて弁が立ちすぎると男はひいてしまう」って感じの表現で始まってました。「言い方によっては……」ってフレーズもあったので「ものの言い方を男のプライドを傷つけないようにうまく考えよう」って意味にもとらえられるけど、やっぱり男性独特の妙なプライドの存在には気をつけなきゃだめってことなんだろうね。

あと、ミーハーくらいがちょうどいい、という意見の裏には「自分と趣味がかけ離れているとちょっと気持ちが離れちゃう」みたいなことも書いてありました。ということは、要はそういう意見を言っている人自身がミーハーなのかな?(笑)
まあ、自分自身を振り返ってみると確かに「似て非なる趣味の人」を選んでるところはあるかもね。でも「似てる部分」はもちろん嬉しいけど「非なる部分」も興味持ったり受け入れたりできる自分ではありたいと思ってるし、相手もそうであるほうが向き合ってて楽しいと思うんだけどなあ。

蛇足だけど「ミーハーの実例」では「映画はセカチュー」とも書いてあったような(笑)

なあるほど。(記事のチェックご苦労さんです)
その「自分と趣味がかけ離れているとちょっと気持ちが離れちゃう」っていう言葉を更に深読みすると、
「自分のよく知らないことを詳しく知っている女は気に入らない」
っていう、コンプレックスの裏返しなのかも?つまりは、その記事全体が、「自分に自信のない男性のコンプレックス」が反映されたものだと言えなくもないかもよ。
ということで、世の女性達(特に自分を『負け犬』とか思って気にしてるような人達)はそういうマスコミの論調には振り回されないのが賢明かも。

うんうん、Reiaさんって、既婚でもマインドは独身女性に近い所があると見た(笑)
だから尚更、「負け犬」「勝ち犬」って分けるのってバカバカしい気がする。

yagitaicho:

知り合いの20代男子に聞いてみた所、
「マニアックじゃない方が、嫌われにくいという意味で、好まれる確率は高いと思いますが、それとモテるのとは、また全然違う様な気がします…。」
とのことです。その「マニアック」の方向性が(男女で)合えば、かえってそれがプラスに作用するだろうとも言っておりました。
そのファッション雑誌って、「嫌われにくい、無難なライン」を提示するのがコンセプト?なのかな。つまり、そうやって「なるべく嫌われたくない、無難でいたい」と思っている女性を読者として想定してるってことなのかも。そういうのが今の日本人女性のマジョリティだとしたら・・・うーん、みんな、もうちょっと大人になろうよ、自分ってものをちゃんと持とうよって言いたくなりまする。

Reia:

やっぱ隊長もそう思う?

そのファッション誌はかなり昔から存在してたものなんだけど、少なくともわたしがいわば「現役」で読んでた頃のその本って、それこそ無難ばっかりじゃ面白くない、ときには冒険もしなさい、そして自分らしさを大切にしなさい、ってかなり煽ってたほうなのよ。最近その本のファッション系の特集は立ち読みすらしてないけど、この記事から類推すると、ずいぶん方向性を変えちゃったのかなあ。

ところで、その20代の男の子の意見はなかなか鋭い!
「嫌われにくい」と「好かれる」もまた違うよね。

どうせ猫をかぶってつきあいはじめたところで、受け入れがたいほどに趣味が合わない相手とはいずれうまくいかなくなるのだから。となると、おのずと自分の趣味でどどんといっちゃえばいいじゃん、ってことになるよね。初対面用にメジャー系の話題もさらっとさらいつつ。
そういう意味では、音楽に限って言えば、HIRO T's MORNING JAM はかなり便利な番組かも!(笑) って結局そこにいくのかよ。なんちて。

* comments *

* trackbacks *

* Drecom RSS *