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リストラとダイエットとセレブ

外来語が日本語化する過程で意味が大きくずれることは多々ある。

たとえば「リストラ」。「restructuring」のもともとの意味は「(事業の)再構築、構造改革」。英和辞典をひくと「リストラ」とも書いてあるので、ネイティヴでも「首切り」の意味に用いるのかもしれないが、必ずしも首切りだけが「リストラ」ではないことを知っておくのと知らないのとではかなり違うだろう。

さらに困るのが「ダイエット」。「diet」は「食餌療法」のことであり、健康や美容のため食べ物の量や質に気を遣うこと全般を指す。たとえば、アメフットのラインマンが筋肉増強のために良質のたんぱく質を大量にとるようにメニューを組むのもダイエットである(おそらくこのダイエットが成功すれば彼の体重はアップするだろう)。但し、彼は同時に筋トレやその他練習にも励むことになるだろうが、それはダイエットの範囲には入らない。
美しいプロポーションを得るための本のタイトルの多くは「○○ダイエット」とあるが、その本にエクササイズの方法しか書いていなかったら、実はその本はダイエットの本ではない。ただし、エクササイズによる効果があるかないかは別問題である。

最後は「セレブ」。「celebrity」といえば芸能人から名士まで有名人全般を指すものだと思っていたが、最近よく話題になる「セレブ系」といえば少なからずハイソサエティ方面のイメージをもつ言葉として取り扱われている。別にハイソな人ばかりがセレブリティじゃないと思っていたのだが、これはわたし個人の勘違いなのだろうか?

最後にわたし個人の使い分けだが。
「リストラ」と書いた場合は「首切り」であり、「リストラクチャリング」とフルに書いた場合は企業その他組織の構造改革全般を指し、その中に人員削減があろうとなかろうと知ったこっちゃない。
「ダイエット」は食物にかかわらない場合(例:ピラティスや筋トレだけでやせるとき)は使わない。ただし、比喩的用法(例:某携帯電話会社の「携帯代ダイエット」等)は例外とする。
わたしの認識が間違っていないなら「セレブ」についても「リストラ」同様の扱いをしようと思っている。

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