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裏は必ずしも真ではない、再び。


前にも書いたけど、特に音楽業界人や J-POP リスナーに、論理学の基本中の基本を忘れているヤツが多すぎる。

Aであれば、Bである。(命題)が真であれば
Bでなければ、Aではない。(対偶)も真である。
しかし、
Bであれば、Aである。(逆)や
Aでなければ、Bではない。(裏)が必ずしも真とは限らない。

自分で作詞作曲のできる歌手は、確かに偉いとわたしも思う。
しかし、自分で作詞作曲のできない歌手は偉くないのか?
歌うという行為そのものが、既に重大な表現であることになぜ気づかないのだろう。
遠くルネサンス時代から近現代にいたるまでの先人の遺した作品ばかりを歌うクラシック歌手や、スタンダードナンバーを中心に歌うジャズシンガーはすごくないのか?(←と思っていたら、佐藤竹善さんなんかはずっと前から同じことを考えてらっしゃったそうである)

女性シンガーソングライター(しかも90年代からのJ-POPファンには概ね名が知れていそうな)と共同制作した曲を、完全な自作と称して歌わされていることが事実だとしても、その2組の同性ユニットも、そのファン達も、どちらかといえば被害者だろう。
本当の加害者は、高校数学が原因で(とほぼ断定してよかろう)某公立女子大学に入れなかったわたしですら覚えている論理学の基本中の基本を忘れている、音楽業界のお偉方と、多くのJ-POPファンだ。
つまりコンピュータウイルスと一緒で、被害者と加害者両方である人も少なからずいるのだろうが。

※2005.1.9 追記:
男性ユニットのファンの方の声を耳にしたのをきっかけに、話題の元となったウェブサイトを改めて読み直した上で、表現の一部を変更しました。特に「ゴーストライティング」という言葉が、諸状況から想像されている事態とはかなりニュアンスが異なるように感じられたので、その部分がもっと伝わる表現に書き換えています(もっとも、女性シンガーソングライターの日記は「ゴーストライターのような事を頼まれ」と書かれていますが)。
また、それらが今のところ状況証拠しかなく、事実として確定したものではないことがわかるようにリライトしました。
もし、従来の表現で、不快に感じられた方がいらっしゃるなら、素直に謝罪させていただきます。

本文にも書いたような理由で、わたしは2組のユニットにはほとんど反感をもっていません。
おそらく、他の人の手が加わっている作品であってもなくても、歌として表現する力があるからこそ、現在の各ユニットの立場もあるものと思っています。
そして、万が一汚名が事実であって、それを返上するのなら、新作でも、あるいは初期に作ったものでもいい、100%の自作作品を聴かせてくれるならなおさら嬉しい、とも思います……。それか、普通にクレジットされたほかの作者の作品でももちろんOK。

コメント (2)

トラバあんがとさんです。ということで、こっちからもお返し。
ホント、基本を忘れちゃいけないね。本末転倒はダメよ、お偉いさん。

Reia:

そうですよねぇ。まったく。
しかしほんとに可哀想だ。告発しているサイトが引用している女性シンガーソングライターの発言を見ていると、ゴーストというよりむしろ共同作業のような形で活動してたのに、彼女の名前だけが消されたような形だしね。
男性ユニットなんて、ストリートでけっこう長く活動してたらしいから、実際に自分達でつくった曲も書きためてあるでしょうに、そういった作品にすらミソがつくのかと思うと。
(たぶん女性ユニットのほうも同じような感じなんでしょうね……)

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