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やるな、PE'Z

「くまたろうMusic Style MM」Vol.62 (2004/4/4)
くまたろうMusic Style

お読みいただきたいのは「編集後記」。
先日カヴァー問題がニュースになったPE'Zだけど、
昨夜のライヴでなんとも粋なことをしてくれた模様。


で、昨日のライヴのオープニング。
問題の「大地讃頌」のイントロが流れ、主旋律を1音だけ吹いたら
すぐに別の曲に切り替えて大盛り上がり!

実はわたくしこのメルマガとってるんですけど、届いたのを読んだ瞬間
「PE'Z、やるじゃん!」と思いました。
若い頃読んだ本で、「粋」は「意気」からきてるんだってのを思い出しました。

わたし自身は作曲者の佐藤眞氏について、必ずしもその要求自体は不当だと思っていません。但し、仮処分申請などの法的措置に走る前に、それ以外のやり方はなかったのかという思いはありますが。ジャンルを異にするとはいえ、同じ音楽家としてPE'Zサイドとまず話し合う、ということはできなかったのかと。

(7-Apr.-2004 佐藤氏はマキシ発売の直前に一度東芝EMIに抗議していました。
たいへん失礼いたしました)

というのもこの問題、事件直後にここに書き込んでからしばらく考えたのですが、思うにそれは音楽が作曲者の意図に忠実に(少なくとも、作編曲者が作った楽譜のとおりに)演奏されるのが普通である世界と、アレンジ次第でどんどん質の違う音楽を作り出すのがあたりまえな世界との、ふたつの違う常識をもった世界の住人同士が引き起こしたトラブルではないかと。

国が違えば法律や慣習も違います。でも国をまたいでなにかが必要なとき「条約」なんかがあります。
たとえば国を跨いで罪を犯すものが現われた場合どちらの国の法でどう裁くか、とか。

音楽だってジャンルをまたいで何かをやりたい、あるいは実際にやっちゃうということはいくらでもあることで、音楽に関係する法律もまた国をまたいでの「条約」のように、いろんな常識をもつ場所、つまりジャンルに対応しうるものでなければならないはず。

願わくば、佐藤さんもPE'Zも一緒に笑えるような音楽著作権や著作物人格権のありかたが確立できるといいのですけど…… 難しいだろうなぁ。ううう。

コメント (2)

引用していただいたメルマガの作者です。どうもありがとうございます。
今回のPE'Zの事件については、著作権のあり方そのものを問う重大な問題をはらんでいると、私も思います。ですが、私なりの考えをまとめるには、もう少し時間がかかりそうです。

クリスタル・ミー:

くまたろうさん、コメントありがとうございます。
わたしもやはりいまのところこのレベルまでしか考えがまとめられません。著作権に関しては以前必要があって、簡単なお勉強程度のものは一応したのですが、さすがにここまでの問題となると……

ただ、音楽に関しては従来から認められている著作者側の「翻案権」だけではなくて、他人による正当な「アレンジ権」「カヴァー権」みたいなのがあってもいいんじゃないかな、なんてことを風呂で鼻歌を歌いながら考えたりしてました(笑) 言葉の著作物についての「正当な引用」があるようにね。引用に比べると音楽のカヴァーって「元ネタ」の二次著作物に対する比率が全然違いはするんだけど、元ネタの出典が明らかであること、明らかな二次著作者のオリジナリティが加わっていること、などを条件に。

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