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「コスメの魔法」に登場するPHSを発見!

Amazon.co.jp: 本: コスメの魔法Best Selection 2 (2)

ことしの春、ドラマ化を機に編集されたこの作品を読み返していたら、本筋ではなく、作中に登場する電話のことがなにやら気になってしまった。

この電話は『MAGIC 4「豊かになるクリーム」』に登場するのだが、いわゆる折りたたみタイプではなくストレート型なのだ。Amazon.co.jp で調べたところによれば「コスメの魔法」のコミックス刊行は1999年の秋から始まっている(つまり「Kiss」への連載はもっと前からあったということだ)。この第1巻がリリースされたのとよく似た時期に、NTT Docomoのiモード人口が10万人を突破した、というから、まだまだこの頃はストレート型端末は充分主流派だったわけだ。
(そういえば初めてiモード機として世に出たF501iもストレート型だったような…… ビジネスにも――どちらかといえば銀座より渋谷の――クラブにもOK、といった趣のクールな雰囲気の端末で、今でもデザイン重視の携帯電話にこだわるマニアには人気が高いというが……)

「あっ」と思ったのが、画面のアップに「公衆」の文字。
これはPHSである動かぬ証拠! PHSでない携帯電話(※1)にはない表示だ。
この画面はこの回のストーリーの主人公であり「マ・ベール」の顧客である河原萌ちゃん(※2)の彼・都賀くんの電話ということになっているのだが、その画面に現れている「モエ」の電話番号が「070」で始まっている。これはPHS用の電話番号に他ならない。

更に次のページを開けてみると「ごめん…… 会いたくないんだ……」という都賀くんのセリフの後ろに、やはり目立つサイズで端末が描かれているが、そこには「PASC……」(PASCALだなさては)のロゴがあり、右上に「H″」のロゴを匂わせる絵柄が見える。なるほど、これはDDI POCKETに決定だ!

調査の結果、端末はかなりあっさりと見つかった。
ボタンの形状や受話部分の穴の形から、この機種と断定。
DDI POCKET: 機種ラインナップ: J80

それにしてもあいかわ先生はひとつの電話を使い回して描きつつも、ロゴを描いたり省略したりして登場人物別に電話を使い分けるなど芸が細かい。
J80と思われるPHSは『MAGIC 6「ほぐされる体」』にも登場する。

この端末がきちんと描きこまれ、しかもあちらこちらに登場しているということは、あいかわ先生ないしはアシスタントさんのどなたかがJ80ユーザだったのではないだろうか。

しかし、『MAGIC 7「いつまでもキレイな恋」』に登場する携帯電話はいずれも折りたたみ型である。
この回の主人公の恋人・伊東が使用している携帯電話は、隅っこの部分がほんの少しだけ描かれているだけだが、アンテナの生え方やエンブレムの形などが N208S HYPER っぽい。この話が書かれた時代にしてはかなり古い機種になるが、1コマしか出てこないチョイ役なので、古いカタログまたはパンフレットを参考に描いた可能性もある。
一方、この回の主人公の水谷秋実の携帯電話も折りたたみ式だが、エンブレムやカメラなどのディテールが描かれていないので、機種はおろかキャリアの特定すら困難だ。とはいえ、アンテナの向きや全体的に四角めのデザインで、少なくとも伊東先輩のものとは違う機種であることはわかる。
いずれにせよ、ストレート型から折りたたみ型へ、絵に書き込まれた携帯電話の形が変わっていることからも、時代の移り変わりがなんとなくわかるから面白い。実際このストーリーも2002年後半~2003年初頭に描かれたものと思われ、前の2つよりはかなり後の作品になる。

(※1)中には「PHSでもある携帯電話」なんてのもありますからねぇ。
今でも使ってる人いるのかな、Super Doccimo。かつてわたしも欲しかった時期がありましたよ。
(※2)本当はくさかんむりに「朋」。
(追記) 11月30日、「MAGIC 7」に登場する電話についてもついでに調べてしまいました。

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